オリーブオイルやそうめんと並ぶ小豆島の特産品、醤油。その起源は江戸時代に遡り、明治から昭和初期の最盛期には400軒の醤油醸造所があった。今では20軒ほどが島醤油を造り続けている。「島醸」は昭和47年に設立された醸造所。「といっても、うちで造っているのは醤油ではなく、“醤油の元になる醤油”です」と島醸工場長の山本幸法さん。ん?醤油の元の醤油ってなんだ?
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敷地内には背の高いタンクが何本も並ぶ。工場内はオートメーションで稼働する設備の数々がずらり。「ここは“共同醸造所”」と山本さん。戦後、醤油造りの機械化が進んだが、小規模な醸造所では対応できず、数社が資金を出し合い、近代的な設備を備えた工場を建てた。それが島醸。「ここで造るのはもろみを搾った“生揚げ醤油”まで。生揚げは醤油の元になる醤油です」。
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なるほど生揚げはいわば醤油の原液のようなものか。島醸では現在、6社に提供する生揚げ醤油を醸造。各社では生揚げ醤油に独自の調味をして仕上げたり、ポン酢などの加工品を造る。「醤油の味を決めるのが生揚げ。各社の“核”となる味を造っている責任を感じながら、皆、取り組んでいます」。仕事に愛がある人はかっこいい。若い社員が額に汗して頑張る姿にも感動した。 |